5月29日、東京都内で開催された「日カンボジア・ビジネスフォーラム」に参加してきました。本フォーラムは、カンボジア王国のフン・マネット首相の来日に合わせて、日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催したもので、現地からは商工会議所(CCC)の企業を中心に、なんと72社が来日。日本企業との直接交流が行われました。
カンボジアの「今」が見えるフォーラム
フォーラムは、前半が企業交流会、後半がセッション形式のパネルディスカッションという構成でした。

フォーラムの概要
本フォーラムは3部構成で行われました。
第一部:企業交流会
カンボジア商工会議所(CCC)会員企業72社が参加し、日本企業との交流が行われました
会場は序盤から熱気に包まれていました。
カンボジアからはなんと72社もの企業が参加し、各テーブルには日本企業が一斉にアプローチ。文字通り“入り乱れての実戦形式”のビジネスマッチングが展開されました。
JATICとしても、多くのカンボジア企業のCEOの皆さま、日本の参加企業の方々と活発に意見を交わし、多数の名刺交換をさせていただきました。今後の具体的な連携の可能性を見据えた、非常に実りのある時間となりました。
第二部:カンボジア進出日系企業セッション
- 開会挨拶:ジェトロ 理事 中澤 克典 氏
- パネルディスカッション1:「製造業のグローバルサプライチェーン変革におけるプラスワンとしてのカンボジアとゲームチェンジャー」
このセッションで共通して語られていたキーワードは、「物流インフラの整備」と「人材育成の進展」です。
その両輪がようやく整い始めた今、カンボジア経済は確実に加速しており、新たな工場建設やサービス展開のチャンスが現実のものとなっています。
第三部:カンボジアセッション
基調講演
フン・マネット 閣下(カンボジア王国首相/カンボジア開発評議会議長)
MOC交換式
- ジェトロ・プノンペン × カンボジア商工会議所
講演
- スォン・ソパール 氏(カンボジア開発評議会<CDC> 事務局長補)
「カンボジアの投資制度概要」
JATICの視点:カンボジアは“リアルな協力先”になり得る
フン・マネット首相からは、カンボジアの成長戦略に触れつつ、エネルギー・インフラ・製造・農業など広い分野での日本企業との連携強化を呼びかけました。特に、「信頼できるパートナーとしての日本」に期待を寄せる言葉が印象的で、会場は静かに熱を帯びていました。
私たちJATICとしても、ここ数年でカンボジアと関係を深めてきましたが、今回はとくに「現場感のある交流」ができたことが大きな収穫です。今回のフォーラムは、単なる情報収集ではなく、「誰と組み、どこで何をやるか」を描く具体的な第一歩になったと感じています。
カンボジア政府も「スマート&クリーンな都市インフラ整備」に強い意欲を見せており、日本の技術やノウハウが実際に求められていることを再確認しました。
今回のフォーラムを通じて、カンボジアとのビジネス環境は「開かれた市場」から「投資に足を踏み入れる段階」へと移りつつあると実感しました。
JATICとしては、都市ごみ処理、再生可能エネルギー、医療・教育インフラなど、多面的なプロジェクトでの連携を視野に、引き続き現地パートナーや政府関係者との関係強化を進めてまいります。