2025年2月15日(金)、JATICのメンバー(代表柏野、副代表杉山、北川理事、他)は広島県にある両備自動車を訪問し、同社の油化装置の見学を行いました。本視察では、日本の最新の技術や環境影響、今後の可能性について理解を深め、カンボジア・プノンペンのゴミ問題を解決する良い方法を探っていきたいという目的がありました。

廃タイヤの油化装置
両備自動車の油化装置とは
両備自動車は、廃プラスチックや廃タイヤなどの廃棄物を油化(液体燃料化)する特許技術を開発し、環境問題への貢献を目指しています。同社の油化装置は、これらの廃棄物を熱分解し、軽油代替燃料を生成するシステムです。以下のような特徴を持っています。
- 資源循環の促進:従来なら焼却される廃プラスチックや廃タイヤを再利用可能な燃料へと変換。
- 低環境負荷:燃焼時のCO₂排出を削減。
- 経済的メリット:産業廃棄物処理コストの削減と、燃料コストの低減が可能。
視察の概要
見学では、原料の投入から熱分解までのプロセス、出来上がった液体燃料の品質の確認、それから熱分解後の燃えカスの残渣の処理方法などを詳細に視察しました。
- 原料投入:分別されたプラスチック廃棄物や廃タイヤを投入。
- 熱分解プロセス:無酸素状態で加熱し、油化を促進。
- 液体燃料の精製:生成された油を分離・精製し、軽油相当の燃料を取り出す。
- 排ガス処理:有害物質を極力抑えた排ガス処理技術。
今後の展望
JATICでは、両備自動車の技術が東南アジアや発展途上国での環境問題解決に貢献できる可能性を検討しています。特に、カンボジアやタイなどの廃棄プラスチックや廃タイヤ問題が深刻な国々において、地域の資源循環モデルの構築、油化装置の導入支援、現地パートナーとの協業 といった形で展開できるかを検討していきます。
まとめ
今回の視察では、廃棄プラスチックおよび廃タイヤの油化技術が持つ可能性と実用性について深く学ぶことができました。ゴミは燃やすのではなく製品化して収益化したいという思いがあります。今後もJATICは、最新技術のリサーチと実用化支援を通じて、環境負荷低減に貢献していきます。