未来を創る技術者たち!カンボジア国立工科大学を視察

2024年8月19日、JICA職員からの紹介でカンボジア国立工科大学(NPIC)を訪問する機会を得て、校長、電気科長に案内していただきました。

同校は、2005年に創立され、カンボジアの産業を支える人材育成に長年貢献しています。今回の視察では、同校の教育理念や、最先端の設備を用いた実践的な教育、カンボジアの教育の課題についてお話をうかがいました。

NPIC(National Polytechnic Institute of Cambodia)
http://www.npic.edu.kh/

カンボジアの課題の1つとして貧困層150万人への教育支援があり、同校は労働省、教育省の傘下でこの問題にも取り組んでいます。

学生数は7,000人を超え、企業からの引き合いも多く、就職には有利なようです。2年制、4年制のカリキュラムで、午前、午後、夜間の三部制になっていて、昼間は働きながら夜間は学ぶという方もいらっしゃったり、企業の研修として送り込まれる方も受け入れられています。プノンペン在住以外の学生には寮が用意され、寮費は無料ということで、学生の約7割が地方出身者でした。

田井名誉領事も視察

2024年3月、在仙台カンボジア王国名誉領事館の田井名誉領事がスオウ労働訓練大臣と共に同校を訪問し、視察されました。

田井名誉領事のNPIC訪問

JICAの貢献

JICAは産業人材育成をカンボジア職業訓練校に支援しているという立場で、日本の団体にNPICを知ってもらうことが課題の1つとしてあるということです。

カンボジアにおける教育と職業訓練の現状(JICA記事)
https://www.jica.go.jp/project/cambodia/018/materials/ku57pq0000221pyv-att/education_and_vocational_training.pdf

学生たちには実習環境の整備が必要ということで、JICAでは実習設備を1人1つ用意するなどの支援をしてきました。

学科長の案内で、機械工具を用いて実習をしている教室なども見学させてもらい、学生たちが実習機械を組み立てたり、電気回路を調整したりする姿が見られました。教員の丁寧な指導のもと、学生たちは真剣な表情で作業に取り組んでいました。

女子学生が増えてきたのもJICAのアドバイスによるもののようです。

目下の課題としては、優秀な教員の数を確保することが挙げられていました。

JATICとしての貢献

教育機関の設立も視野に入れていたため、非常に多くのことを学べた視察でした。

NPICについて広くお伝えしていくこと、日本からの企業を誘致するとともに、技術提供、指導員の斡旋、就職先の斡旋など協力できることは多くあると実感しています。日本とカンボジアの架け橋として、将来が楽しみです。