JATICの柏野代表および杉山副代表は、2024年8月6日に廃プラスチックの低温熱分解ガス化発電システムについて、NEXTECH(NESIS GROUP)の国内販売代理店である高屋氏に話を伺いました。

廃プラスチックの低温熱分解ガス化発電システムは、廃棄物処理と再生可能エネルギーの発電を同時に実現する画期的な技術です。このシステムは、廃プラスチックを低温で燻ぶらせて発生する煙を二次燃焼させ、蒸気を生成し、その蒸気でタービンを回して発電します。これにより、廃棄物を効果的に減少させつつ、持続可能なエネルギー供給を可能にします。

技術の特長と利点

高効率な廃棄物処理: システムは二基の分解炉を使用し、12時間ごとに交互運転を行うため、途切れのない運転が可能です。残渣はわずか3%以内で、ほとんどの廃棄物が無くなります。年に数回、10〜20日程度のメンテナンスで溜まったゴミを書き出す程度の手間しかかかりません。

発電能力: 韓国では、100トンのゴミから2MW~3MWの電力を発電しています。コンテナタイプのシステムでは、5トンのゴミで30kWを発電可能です。廃タイヤは細かく切る必要がありますが、廃タイヤを燃料にすれば、8MW/hの発電が可能で、コンテナタイプで廃タイヤを処理した場合は300kW/hの発電が可能です。残渣として生成されるカーボンブラックは蓄電池材料として需要があり、高値で取引されます。タイヤの中に含まれるワイヤーも売却可能です。

経済的効率: 通常の高温炉は年間280〜290日稼働し、メンテナンスに年間で億単位の費用がかかるのに対して、このシステムは330〜350日間ノーメンテナンスで稼働でき、効率の良さが売りです。

建設コスト: 100トンのシステム、5トンのコンテナタイプと共に建設コストは高めの初期投資が必要です。1kWhあたりの発電コストはバイオマス発電所の平均コストに比べて高くなっています。

廃棄物適応性: 燃焼可能な廃棄物は有機物に限られ、石、砂、金属などの無機物は燃えませんが、これらは自動的に残渣として排出されます。

総括

この技術は、通常の廃プラのみであれば100トン規模のシステムは、地域や政府の廃棄物事情に合致させれば素晴らしい地域問題の解決につながると思われます。特に廃タイヤを燃料とした場合、発電量から見てコストパフォーマンスにも優れています。またコンテナタイプはコンパクトで、輸送・設置コストも低く、オフグリッドの小さな地域でのごみ処理発電として地産地消を目指すことが可能です。

廃プラスチックの低温熱分解ガス化発電システムは、地域のごみ問題を解決し、持続可能なエネルギー供給を実現するための有力な選択肢です。この素晴らしい技術の普及により、コストが下がり、世界中での採用が期待されます。JATICは、この革新的な技術を通じて、環境問題の解決に寄与し続けられるように製品を評価、普及していきます。

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