2024年7月12日に日本先端技術国際インフラ協力機構(JATIC)の杉山副代表理事が九州大学大学院農業研究科、農業資源経済学部の矢部光保教授(農学博士)を訪問し、九州大学発ベンチャー企業である株式会社リアムウィンド製造の風力発電機の視察をさせていただきました。

今回の訪問を通じて、九州大学の研究や事業への取り組みや成果を直接拝見し、貴重な意見交換の機会を得ることができましたので、本記事にて紹介します。

九州大学大学院農業研究科 訪問

九州大学大学院農業研究科、農業資源経済学部の矢部光保教授(農学博士)を尋ねました。矢部教授からは高機能性をもたらす濃縮バイオ液肥(Bio-CLF)の開発現状についてお聞きしました。この技術は、し尿や汚泥などから肥料の成分になる窒素とカリウムを抽出し、濃度を高めた「濃縮バイオ液肥」の製造に成功したものであり、化学肥料の使用量を減らし、環境保護に貢献することを目指しています。

濃縮バイオ液肥の技術を発展途上国に普及させる方法について意見交換

矢部教授とは、濃縮バイオ液肥(Bio-CLF)の技術をカンボジアなどの発展途上国に普及させる方法について意見交換を行い、途上国の現状や文化に合わせた次世代の循環型のゴミ・下水問題の解決法について具体的なアイデアや貴重な意見をいただきました。

特に、焼却処分場ではなくバイオ処理の方向に舵を切り、そのためのゴミの収集・分別についての法律の制定、生ゴミを効率よく回収するアイデア、そして下水汚泥の処理と有効活用方法について話し合いました。

Bio-CLF Lab(濃縮バイオ液肥ラボ)ホームページ
https://www.bio-clf.jp/

株式会社リアムウィンド 訪問

九州大学内に設置されたレンズ風車

続いて、九州大学発ベンチャー企業であり、国内唯一のNK認証機保有している小型風力発電メーカーである株式会社リアムウィンドを訪問し、新型レンズ風車を見学しました。

この風レンズ技術は、つばの渦形成原理による「流体加速装置」ということで特許を取得しており、集風レンズ(通称:輪っか)で発生した渦が風車後方に低圧力領域を形成し、輪っかの内側の風速を加速させることで、風車(ローター)の回転数を増大させることによって、従来の同じローター径の風力タービンに比べて2-3倍の電力を発生させるものです。

実際に風車のそばにいても風切音がほとんど聞こえない、とても静かではあるばかりか、バードストライクの事故も過去に起きたことがない環境にやさしい風車だとのことです。形状が特殊で地域のモニュメントにもなりそうな優れた風車だと感じました。

株式会社リアムウィンドの製品のご紹介

技術顧問の内布研志様より、それぞれの製品について特長のご紹介をいただきました。

写真左から70kW、3kW、1kW型

「レンズ風車」紹介動画


※前回の株式会社リアムウィンドの記事

総括

今回の訪問を通じて、九州大学の研究する先端技術の実際の応用とその将来性について深い理解を得ることができました。

JATICは、今後も、持続可能な社会の実現に向けた技術革新とその普及を推進し、双方の発展に寄与するための具体的な取り組みを積極的に進めてまいります。また、今後の継続的な対話と交流を通じて、両国の友好関係の発展を祈念します。

JATICへの質問やご不明な点があれば、いつでもご連絡ください。

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